前項はこちら▼
「よい」と「悪い」の間
この人はいい人か悪い人か。
この食べものは体にいいか悪いか。
こんなふうに思ったりしませんか?
人間でも食べものでもなんでも、「よい」と「悪い」のどちらかに分けることはできません。
幼稚園、学校、マンガ、テレビなどなど、「よい」と「悪い」のふたつに分けようとすることが多いので、ついついそんなふうに思ってしまいますが、なににでも「よいところ」と「悪いところ」があります。
ここまで書いてきたことでもそうです。
テレビゲームには、「たのしい気持ちになれる」いいところと、「心と体への悪い影響」という悪いところがあります。
野菜は体にいいといわれますが、毒や体の負担になる成分も意外と多く、すべての野菜が100%いいものともいいきれません。
ちょっと前に出てきた「知ること」も、事前に対処できるというよい面と、自分の体験やそこから得られる(知らないからこその)感覚が得られないという悪い面があります。
先生がいいと言ってたからいいもの、テレビで悪いと言ってたから悪いものと思わず、「よいところ」と「悪いところ」は自分で感じましょう。
そして、「いいことだから必ずやる」、「悪いことだから絶対ダメ」でなく、そのときそのときで「今日はこうしてみよう」なんて、判断を変えてみるのもいいかもしれません(そこで得られる失敗や発見こそステキな体験です)。
たとえば、「正義の味方が悪者をやっつける」のは正しいでしょうか?
テレビの中ではそれが正しいように映されますが、そんなことなくない?
正義の味方にも悪いところはあるし、悪者にもいいところがあります。
100%いい人もいなければ、100%悪い人もいません。
キミたちの心の中にだって、ちゃんとした自分もいれば、ズルい自分もいるよね?
完ぺきを目指さなくていいし、他人に完ぺきを求めない、自分や他人を「いい人悪い人」と決めつけない。
そもそも「正義の味方」と「悪者」に分けること自体がおかしくて、お互いが「よいところ」と「悪いところ」を認めてそれぞれ生きていけば、たたかう必要はないのです。
学校の友だちとかって、べつになかよくなくても「この人はこういう人」って自然に受け入れてるでしょ、そんな感じ。
本でのご購入できます。
コメント