公営プールが相互監視社会に変わっていた

生きづらさ

さてとポテト。

実はこの記事、3~4ヶ月ほど前に書いたものでして、その時に、次また行ってみて変化がなかったら施設名晒してアップしたろーかなと思ったまま、結局プールに行かなかったため、下書きのままになってました。
で、つい最近久々に行ったら元の雰囲気に戻っててホッとしたついでに、せっかく書いたので施設名は伏せて、歴史として残しておくことにします。

2年ぶりに息子と行った公営プールが、すっかり相互監視の異様な雰囲気に変わっていました。

二人でプールに入って30秒。

(息子にとってはギリギリの深さだったため)慌てた息子がとっさにコースロープに手をかけた瞬間に、「ロープに触らないで下さい!」と監視員さんから注意を受けました。

私自身2年前頃によくここのプールを利用していて、その当時には、監視員から利用者に声かけをする光景自体基本的になく、あっても、帽子が脱げてしまって気づかない利用者に対してだったり、少なくとも自発的に「注意する」というようなニュアンスのものではありませんでした。

なので、まず入場の温水シャワーを抜けてすぐ、監視員さんに「初めてですか?」と声をかけられた時点で軽く違和感を感じました。

でその直後の注意。

声かけも注意も、2年前すでにいた同じ人だったので、私の豊かなイマジネーションから、その監視員個人が「町営プールの支配者」に変貌してしまったのではないかと勘ぐりました。

なんとなく違和感を感じながらも、久々のプールにはしゃぐ息子と遊んでいると、数人の監視員がメガホンを使ったりその場から大声で「逆方向に進まないで下さい」だなんだと、度々「注意の声かけ」をしています。

その様子からどうやら監視員個人の裁量ではなく、全体の方針であることが伺えました。

私の違和感が確信に変わりつつあった頃合いで、ウォーキングコースで息子がほんの少しパシャッと体を投げ出した瞬間に「泳がないで下さい!」と、また別の監視員さんから注意を受けました。

こりゃちょっともうおかしいなと、その監視員さんにこちらから声をかけました。

するとどうも、「ルールやマナーを守らない利用者を注意しろ」という(利用者からの)クレームが多くなり、それに応えた方針変更とのこと。

そして、その方針は現場判断というより、上からの指示によるものと会話から感じられました。

監視員さんは、利用者を監視しながらクレーマー(および上の人)に監視されてるワケです。

その監視員さん自身、本意ではなさそうだったことはせめてもの救いですが、利用者も従業員も窮屈になるだけで、お互いにとっていいことではないのでやめた方がいい、ミーティング等で改めて話し合って下さいと、真摯に訴えておきました。

すっかりプールを楽しむことを奪われた私でしたが、息子のイイ気分に水を差すまいとワチャワチャやっていたときのこと。

「おい!後ろ気をつけろよ!!あんたこの前もそうだったな!?」

ジイさんがバアさんに怒声を上げていました。

なんともかんともディストピア感。

このジイさんがそのクレーマーかどうかは分かりませんが、まぁこういう類の人の仕業でしょう。

ホントにね、ごく一部の過剰なクレームをお役所仕事で無策に受け入れることで、町のプールがこんな異様な空間に変わっちゃうんですから。

「クレーム処理」感覚でただ言われたことをそのままやるんでなくて、少しぐらいイメージできないもんですかね??

こんなんも同じですよね。

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そんな社会に勇気ある提言をしたバス会社のニュースとか。

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公営施設なんてのは、適度な設備に適度な(なんなら最低限の)ルールとサービスでいいんですよ。

明らかな他人への迷惑行為とか、最低限、利用者(特に子どもとお年寄り)の安全が確認できていれば、わざわざルールに従わせるためのアクションなんて必要ない。

下手にそんなんさせてると、ホントに「支配者」になりきっちゃうから。

「スタンフォード監獄実験」というヤバすぎる心理学実験とは?
1971年、心理学者フィリップ・ジンバルドーが行なった実験。その内容があまりにも衝撃的だったため、すでに何度も映画化されているほど。そんなヤバすぎる心理学実験を写真付きで詳しく解説。

ルールだマナーだなんてもんは、自分らである程度お互い様で折り合いつけますって。

緊急時とか、手に負えなくなって頼られた時に毅然と対応してくれるための存在で充分。

とにかくまー、世の中ホントにおかしくなってきて、みんな病気みたいになっちゃってますけども、せめてプールとか図書館とかその辺はあんまり世の流れに下手に合わせずに淡々と、今までのままやっててほしいもんです。

そんなとこで。

じゃ、おやすむ~!!

コメント

  1. Yoちゃん より:

    やすむさん、こんにちは。暑いですねー。
    夏の楽しい思い出のプールが今やこんな窮屈な場所になってるとは。

    社会全体が「何かあったら誰が責任とるんだ」の声におびえているというか・・
    ニュースで事故が取り上げられると犯人捜しにやっきになって攻撃する。

    以前だったら人に注意するのってためらわれた事だと思うけど、コロナ以降
    多数派が正義を振りかざすのが当たり前になってきてますよね。

    ほんとに生きづらい世の中だ。

    • やすむ やすむ より:

      ひとまず元に戻ってたのでよかったですが、けっこうかんたんにこんな気持ち悪い世界になるんだな~と、なかなか衝撃的な出来事でした。

      正義欲みたいなものを満たすのに一番手軽なのかもしれませんね、施設(店とか)にクレームつけて、自分の正義に従わせるって。

      記事内リンクのバス会社みたいなとこがどんどん増えてほしいもんです。

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