どうもどうも、面接で足し算引き算、漢字の読み書きの小テストをされられている、無職の林やすむ[@hayashiyasumu]です。※2017.9 見事、職ゲット! 【→ 実践ダウンシフト!納期や成果物を求められない働き方へ。生きづらいアラフォーダウンシフターのお仕事】
少し前に思い出してプロフィールに追加したんですが、もうかれこれ5~6年以上前に私の書いたコラムがテレビブロスに掲載されたことがありまして、せっかくですし載せておきます。

製造業の品質管理担当として、生きづらいながらも会社勤めをしていた当時の社内の様子を描いたノンフィクション作品です。※ペンネームは編集の方がつけてくれたもの。
『老人と私』 第一話
私は会社員。三十半ばの男です。ゴムを製造する会社で製品の検査を担当しています。私の働く検査室は、私が主に使用し、他に大きい老人と小さい老人の二人の定年を過ぎた男性の計三人が使用します。大きい老人は釣りとおしゃべり、小さい老人はお酒が好きです。そんな二人の老人と私との日常を綴らせて頂きます。
大きい老人は会社の知恵袋的な存在で、特に決まった定常業務はありませんが、週五日きっちり会社に来ます。そして、一日の大半を“検査室を歩く”ことに費やします。そして私のやりかけの仕事を手にとって眺めては、雑に戻します。
小さい老人は機嫌の波が激しく、機嫌の良い時には、前日(というよりおそらくほぼ当日)のお酒の臭いを漂わせながら、すでに中年の独身娘の話などを聞かせてくれます。ただ、機嫌の悪い時におしゃべり好きの大きい老人が気軽に話しかけたりしようものなら、びっくりするぐらい無視したりします。老人同士の年の差ほどどうでもいいものはありませんが、大きい老人の方が年上です。
つづく
画像のような感じでタイトル横のいいポジションだったのも嬉しかったです。しかしなんでしょう、紙の説得力みたいなものって確実にありますよね。こんなブログに載っててもなんとなく読み流しますけど、これだとなんか読む気になるというか。
で、次の号も続けて載りまして、以下です。
『老人と私』 第二話
私が入社したての頃のことです。小さい老人に付いて研修を受けていた時、不意に鼻を突く刺激臭が私を襲いました。私に仕事を教える小さい老人の口から発せられたモワァ~ッとしたアルコール臭です。
なんとかその場はこらえ、廊下に解放されて体内の空気の入れ換えを図るべく深呼吸していると、通りかかった徘徊中の大きい老人が私の異変に気づいたようだったので、冗談交じりにありのままを伝えました。すると大きい老人は突然色めき立ち、「それはいかん!部長に伝えよう」と、その件を小さい老人の失態として上司に報告しました。
後々判りましたが、小さい老人は限りなくアル中に近く、同じような事が度々あるものの、不意に露わになる気性の荒さもあって誰も言えないでいた所、私のちょっとしたひと言がいいきっかけになったようです。そのあと小さい老人は、はるかに年下の上司に、就業時間中にロッカー室の床で寝ているところを起こされ何かしら言われていたらしいのですが、その後の様子を見るに別段気にしている風でもなく、処分もなかったようです。
老人同士の足の引っ張り合いほどどうでもいいことはありませんが、私のひと言がきっかけにされたことに覚えたささやかな違和感が、日に日に増していくことになるとは、この時の私は知る由もありませんでした。
つづく
その後の行く末
とまぁ、取るに足らない小さなことでも、ちょっと書いてみればなんとなく作品っぽくなったりして、自分の中だけで留めていたらただのストレスという名の生きづらさの元凶でしかなかったワケですから、非常にいいはけ口になりましたね。
画像の紙面には最終回とありますが、コーナーが存続しまして、引き続き続編を送り続けたもののその後の掲載はなく、このコーナー自体もフェードアウトしていきました。
以上!
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