本物のヤバイTシャツ屋さんが「ヤバイTシャツ屋さん」(バンド)とタンクトップとの関係に迫る

水死体Tシャツ(モザイクあり) Tシャツ

どうも、22年前に、原宿で水死体Tシャツを売っていた林やすむ[@hayashiyasumu]です。

そんな、本物のヤバイTシャツ屋さんだった私(※プロフィール参照)が、心をグイッとつかまれたバンド「ヤバイTシャツ屋さん」の魅力を、何の見返りもなくお伝えします。

 

無線LANが便利なことを歌う人たち

“ただ思っちゃったこと” を、いかに最もくだらない形(MV含め)で表現できるか。

たいていのバンドってゆーか音楽やる人の大半にあるであろう「俺の熱い想い届け!」の想いがすこぶる常温なのである。

「無線LAN便利だな~。有線LANより便利だな~」って思ったら、一曲かけてそれを表現する。

「ボクの想いどうぞ。常温ですけど」って。

【無線LANばり便利】 ヤバイTシャツ屋さん

Free Wi-Fiスポット 世界に広がれ 国境を超えて世界と繋がれ 同じ空見上げ手を掲げ歌え 無線LAN 有線LANより便利

【無線LANばり便利 作詞作曲:こやまたくや】

ふと気がつくと「ワイ!ファイ!ワイ!ファイ!」って手を掲げて一緒に歌っている。(家の中で)

もし仮に、私が無線LAN側の人間だったとしたら、ヤバイTシャツ屋さんを “無線LAN大使” に任命するだろう。

彼らには、イチローが国民栄誉賞を辞退した時と同じノリで、オファーを蹴ってほしい。

そしてそれをネタに、またステキな曲を作ってくれたら、仮の無線LAN側の人間としても本望である。

で、「喜志駅周辺なんもないな~」と思ったらこう。

【喜志駅周辺なんもない】 ヤバイTシャツ屋さん

天王寺に住みたいな でも家賃高い 喜志駅周辺も割と高い 芸村しか行き場がない

【喜志駅周辺なんもない】作詞作曲:こやまたくや

やっていることは「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)のコーナー「今週の思っちゃった」(旧・思っちゃったんだからしょうがない。ただ思っちゃったことを投稿するコーナー)に投稿するネタ職人の方々とだいたい同じ。どちらも尊敬すべき表現者である。

常温の想い × 磨かれた表現力

そして、(このバンドでしか役に立たない種類の)表現力がさらに磨かれると、こんな曲まで生まれてくる。

【肩 have a good day】 ヤバイTシャツ屋さん

君の肩幅は君のもの 僕の肩幅は そう僕のもの 人はそれぞれ違う肩幅で 称え合ってともに過ごしていくんだ

【肩 have a good day】 作詞作曲:こやまたくや

そんなヤバイTシャツ屋さんの作詞作曲を手がけるのが、ギター・ボーカルのこやまたくや氏。

つまり、冒頭の “ただ思っちゃったこと” は、こやま氏の思っちゃったことであり、それを最もくだらない形で表現しようとする首謀者もこやま氏なのである。

そして強力に脇を固めるメンバーが、ベース・ボーカルのしばたありぼぼ氏(いきものがかりのボーカルの女の子の妹っぽい女の子)とドラムのもりもりもと氏(ロッチの中岡の年の離れた弟っぽい男の子)。

三人とも、こんな変態な音楽をやりながら、明確に極端な変態に見えないところもまた、このバンドがニョキッとメジャーに顔を出し、人気者になった所以ではないだろうか。

タンクトップのことを一体どう思っているのか

【肩 have a good day】からも分かる通り、こやま氏の思っちゃったことには、こやま氏の偏見が色濃く表れる。

こんな風に。

【Tank-top of the world】 ヤバイTシャツ屋さん

We Wear Tank-top! 鍛えて Tank-top! 着こなせ Tank-top for yourself We Wear Tank-top! 鍛えた俺を見てくれ Tank-top of the world

【Tank-top of the world】 作詞作曲:こやまたくや

ヤバイTシャツ屋さんという(そもそも変な)バンド名でありながら、「タンクトップくん」というキャラクターをわざわざ前面に押し出し、Tシャツの曲はないのにタンクトップの曲(タンクトップの曲!)が3曲もある。

てゆーか発表されている曲が20数曲で、そのうち3曲タンクトップ。※2017.11現在

タンクトップの何が彼らを突き動かすのだろうか。

そのくせ曲からは、タンクトップそのものとタンクトップを好んで着用する人へのうっすらとしたニヤつきがにじみ出ているという、大変ややこしいことになっている。

【Tank-top in your heart】 ヤバイTシャツ屋さん

Tank-topの力で さあ、Punk Rockを超えれるか 破るんや 自分で裂く

【Tank-top in your heart】 作詞作曲:こやまたくや

すべては「自分がこんなにも似合わないタンクトップという衣類が、ただの肌着でなくファッションアイテムとして定着していることへのアンチテーゼ」であると(記事タイトルで「迫る」ことになっているので)迫っておく。

誰もが向かう場所を目指さないことでニョキッと浮かび上がったもの

ただ思ったことを言うだけなら誰でもできる。

ヤバイTシャツ屋さんの唯一無二性はココにあって、取るに足らないどうでもいいことを、豊かな音楽性(なのか、たまたま備わったセンスなのか)で、なんかすげー気持ちいい曲に仕立て上げてくるのだ。

「週10ですき家」とか、「DQNの車のミラーのところによくぶら下がっている大麻の形したやつ」とか、「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲」なんかも、このバンドのポテンシャルと唯一無二性を感じられる気持ちのいい曲だ。

イイ曲に乗せてイイことを歌う」という、誰もが向かう場所を目指さないことでニョキッと浮かび上がったというか。

完全な余談

完全に余談だが、私のようにブログを書く人間にも非常に大切なことで、誰もが書こうとすることを誰にでも分かりやすく書くのは誰もが目指す場所であって、もし仮にそれができていたとしても、検索結果の1位だとか1ページ目だとか、多くの人の目に触れるコンテンツはごくわずかで限られた数だ。

であれば、やみくもにそこを目指さず方向を変えてみよう。

こんなマジメな気づきを、常温の想いの込められた曲で教えてくれるのがヤバイTシャツ屋さんの音楽なのである。

ちなみに、ヤバイTシャツ屋さんから得られた気づきから生まれた記事がコチラ。

余談ついでのモザイクなし水死体Tシャツ画像

皆様お待ちかねの水死体Tシャツ画像です。

一応見たくない人のためにリンクにしておきます。
→ モザイクなし水死体Tシャツ画像

ヤバイTシャツ屋さんの目的

改めてライブ映像を見ていると「そんなに息切らして、なにタンクトップのこと歌っとんねん!」ってツッコミたくなってくる。

つまりコレ、音楽とかバンドという皮をかぶった渾身のボケなのである。

やっぱり関西の人(こやま氏は京都出身、ありぼぼ氏は大阪、もりもと氏だけなぜか静岡。まぁ出身地になぜかってこともない)ってのは、 “音楽” とか “お笑い” とか、はたまた “公務員” だとかそういう世の中のくくりの上に「ボケ」が鎮座しているのかもしれない。

音楽という文化を利用して、音楽という土俵の上で思いっきりボケてる。

ヤバイTシャツ屋さんは、今日も渾身のボケを炸裂させるために一生懸命いい曲を作って、来る日も来る日も精一杯ボケて(ライブして)るのである。

ヤバイTシャツ屋さん OFFICIAL WEB SITE

コメント

  1. モンまみさん より:

    あっ、渋谷じゃなくて原宿でTシャツ屋さんやってたのね。勘違いしてごめんなさい。じゃあパリ=ペキンレコードの近くではなかったね林さんは2040ってフレーズで、何かピンと来ますか?2040ってTシャツ作ったら、めっちゃ売れると思う。それを作って、Twitterで宣伝したら、絶対に売れるから!ゴイムやDSTシャツはごめんね、買いたくないけど、2040Tシャツなら絶対買いたいでーす!Sサイズ宜しく。

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