自分の家でもマスクを外さない娘の友だち

子育て

さてとポテト。

お呼ばれして遊びに行ったら、小6娘の同級生Aちゃんが豹変していた。

私以外の家族たちは少し前に一緒にお出かけしていて、その時に「様子が変わった」と話しには聞いていたのだが、本当に変わってしまった。

おジャマするなり目に飛び込んできたのは、Aちゃんのマスク姿。

家の中でグレーのウレタンマスクをしっかり外さない女の子の姿はなかなか異様だ。

家族同士のつき合いだと、各々のファミリーのコロナ方針をお互い自然に受け入れる感じがたいがいなんじゃなかろーかと、特になにも言わなかったが、(この一家はなかなか慎重派なこともあり)その他全員(家では)ノーマスクでひと安心。

Aちゃんはその後も、飲食時以外マスクを外さず過ごしていた(※しばらくして、Aちゃんの弟の「お姉ちゃんなんで家の中でずっとマスクしてるの~?」の発言があり、終始マスクは来客時のイレギュラー対応だったことが分かってもうひと安心。いや安心ではないけど)。

異変はマスクだけではない。

Aちゃんから表情が消えた。

表情なく、必要最小限のボリュームで、必要最小限の会話をするのみ。

元々、「元気で明るい」みたいな活発なタイプではなかった(し、べつに全然暗くもない)が、子ども同士でも大人にも変わらず応対できて、なんなら不安要素を感じさせない感じの子だった。

これまで何度となく会ってはいるものの、(子の成長とともに会わなくなり)私が前回に会ったのは一年ほど前。

この一年の間に、Aちゃんになにがあったのだろうか。

「今なにが一番楽しい?」

サラッと質問してみたところ、かんたんに答えが出た。

「スマホ」

それまでも、Aちゃん宅で子ども同士が遊んでいる時間の多くはタブレットでのゲームだったが、たま~に覗くと、そこにさえあまり加わらず、マスクにヘッドホン姿でスマホをジッと見ている。

もちろん、(コロナという人類史に深く刻まれる大事件の真っ最中でもある)日々の暮らしの中で、それ以外の要素も少なくないといえども、主な原因がスマホにあることは明らかだろう。

なんというか、見ず知らずの他人なら「親がバカ」で終わらせちゃう話でも、社会的に見て私なんぞより優秀な両親であることが分かっているだけに、なんともモヤモヤする。

ファミリーのコロナ方針同様、よほど親同士が親しくなければ(ネガティブな内容ならなおさら)家庭環境や決めごとについて口にすることもはばかられるのが、昨今のファミリーづきあい。

他人が半日過ごしただけで、「スマホ依存症」的な状態とはっきり分かるぐらいなので、親がそんな様子に気づいていないワケはないはずだが、口ぶりからして、「自分たち(両親)がこの状態を生んでいる」とは微塵も思っていないようだ。

(きっと)無策に与えてしまったことがすべての元凶で、子どもに罪はないどころか、この先への影響を考えると、親の責任はとてつもなく重い(なんてことはモチロン言えない)。

コロナ禍で、(学校以外の日常生活も含め)教育そのものがどエラく難しくなったことに気をとられていたが、デジタル機器とのつき合い方には、改めて慎重になる必要があると感じた。

もちろん我が家はまだスマホを持たせておらず、タブレットもない。

ただ、スマホやタブレットと共通するデメリットは承知で、諸々総合的にメリットが上回るとの判断から、パソコンは(制限を設けて)使わせている。

となると我が家のスマホの導入は、「いつになったらOK」というより、娘が自発的にスマホのリスクを学び、理解し、その他生活習慣も含めて親を納得させたところから、段階的に進めていく形になるだろう。

盲目的にふくらんでいく「スマホを持ちたい」という気持ちにただ応えることは、長い目で見て誰のためにもならない。

子どもにとってはなかなかハードルの高い話だが、それくらい慎重になる必要のある、極めて重大な問題ということだ。

Aちゃんの両親が、どんな理由で小6の子どもにスマホを持たせたのかは知らない。

まったくの憶測だが、スマホのリスクをていねいに調べた上ではなく、「〇〇ちゃんも〇〇ちゃんも持ってるなら」みたいな、世間とのすり合わせや、(A家は共働きゆえ)単純に連絡手段として持たせたように思う。

これだけ情報にあふれた現代、コロナ対応にせよ、子どものスマホにせよ、そのもののリスクを調べるのでなく、「世間がこうだから」や「メリットデメリットの比較」なく判断することは本当に危うい。

真面目というか、この社会に順応してうまいことやってこられた人ほど、無条件に社会を信用する。

それゆえ、コロナのアレコレに疑問を抱くこともない。

友だちも使ってるんだからウチの子に持たせても大丈夫だろう、子どもといつでも連絡がとれた方が便利だ、これだけの人がマスクしてるんだからコロナは怖いものなんだろう、みんなしてるからマスクはしなきゃいけないものなんだろう。

娘の友だちで、もう一人スマホを持った子がいて、その子に(様子から分かるような)大きな変化はない。

あくまでも他人としてパッと思い当たる、Aちゃんとその子のちがいというと、運動習慣。

その子は、スポーツの習いごとをしているが、Aちゃんはしておらずインドア派な印象。

その他、特別どちらかの家庭に目立った教育方針のちがいみたいなものはないように思う。

ちょいと調べてみると、「運動時間が長いほどデジタル機器の使用時間が短い」という、キレイなデータもある。

子ども・青少年の運動・スポーツ実施状況とスクリーンタイム - 調査・研究
子ども・青少年のメディア利用時間は2015~2019年にかけて増加傾向にあり、特に休日はその傾向が強くみられた。また、運動・スポーツを実施する子ども・青少年は、しない者よりもメディア利用時間が少ないことが確認された。 スクリーンタイム(メディアを利用する時間)が増えることを忌避し、子ども・青少年をメディアから遠ざけるの...

運動の効用よりも、習慣的に運動してりゃスマホいじってる時間ないわってことのような気がしなくもないが、いずれにせよスマホタイムが減るんだから、運動習慣の有無は大きい。

単純に学力低下につながるというデータもある。

"スマホが学力を破壊する"これだけの根拠 3時間触ると2時間の勉強がムダに
スマホを使えば使うほど学力が破壊されてしまう――。東北大学の川島隆太教授は、仙台市の中学生の生活・学習状況調査から、そうした警告を発している。川島教授によれば、家で2時間以上勉強しても、携帯やスマホを3時間以上触っていると、その学習効果がムダになってしまうほどだという。子供たちの「脳」に、なにが起きているのか――。

記憶力や意欲の低下など、健康被害の研究も多々ある。

“スマホ脳過労” 記憶力や意欲が低下!? - NHK クローズアップ現代 全記録
【NHK】生活に欠かせないスマホが脳科学の世界で物議を醸している。スマホに依存すると30~50代の働き盛りでも、もの忘れが激しくなり判断力や意欲も低下するというのだ。患者の脳では前頭葉の血流が減少。スマホから文字や映像などの膨大な情報が絶えず流入し続け、情報処理が追いつかなくなると見られている。「スマホによる脳過労」「...

要するに、「ゲーム機の延長のコミュニケーションツール」として楽しむ(子ども側からのメリット)以外、(未知のリスクも大いに含め)デメリットだらけなのである。

今目の前にある子どもの望みを今すぐ叶えることが、子どもの健やかな成長を阻害する大きな要因になり得るデータが山ほどあるにもかかわらず、デジタル教科書導入なんてことを平気でやってくる社会が、無条件で正しいワケがない。

そのくせなんでも自己責任。

親にも子にもたいそう酷な時代である。

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